2005/10/31
Mac用の標準的なUSBキーボードを見つける

事務所にあるMac群のキーボードが、ぼちぼち故障しはじめてきている。特定のキーが打ちにくくなっただけならスムースエイドKTで対処できるが、本格的な故障もある。そろそろキーボードの手当てが必要だ。

Mac用のUSBキーボードは前にも探したことがある。しかし、

以上の条件を満たす事務用キーボードを安価に見つけるのは難しくなった。打ちにくくさに定評のある初代iMacのキーボードが中古価格で8000円を超えているのを目にすると、なんだかアホらしくなってくる。

ところが最近、かなり有望なキーボードを見つけた。それはKensingtonのKeyboard-in-a-box USBである。amazon.comで1台25ドルで買えるので、まとめて買っておいてもよさそうだ。

2005/10/28
合計得点と標準偏差

偏差値は、受験生にとっては謎めいた数字に見えるらしい。偏差値の最高はいくつだとか、よくわからない迷信が広がったりする。かくいう私自身も中学時代に不思議に思っていた事柄がある。それは、平均の偏差値と偏差値の平均とが異なる、ということである。

たとえば、国語・数学・英語の偏差値がそれぞれ70・68・75だったとしよう。このときの3科目の偏差値の平均は71だが、3科目の総合偏差値は73〜74くらいになる。なぜ高くなるのかが不思議だった。

直接的な理由を説明するのはたやすい。標準偏差が小さくなったからだ。偏差値を出すためには標準化を行なうが、標準化とは平均との差を標準偏差で割ることを意味する。だから、分母である標準偏差が小さいほど偏差値の振れ幅は大きい。中学生のころは「高くなる」ことにしか目が行っていなかったのだが、実際には各科目が偏差値50を下回っている場合には、総合偏差値はより低くなる。

しかしこれでは、なぜ標準偏差が小さくなるのかという疑問に突き当たるだろう。もし仮に、3教科の得点が同一になるような結果を考えよう。A君は国語・数学・英語がすべて80点、B君はすべて50点などなど。当たり前ではあるが、この場合には標準偏差の3科目合計は、3科目合計の標準偏差に一致する。しかし現実には、国語の標準偏差+数学の標準偏差+英語の標準偏差>3科目合計の標準偏差となるのである。

疲れてきたので話を急ごう。3科目合計の標準偏差は標準偏差の和よりもどれくらい小さくなるか。中心極限定理によって、それは1/sqrt(n)であることがわかる。だからたとえば3科目が5科目になった場合には、sqrt(5)/sqrt(3) = 1.3倍くらいの違いが出る。3科目の偏差値が65の生徒は、5科目の偏差値になると(65-50)×1.3=69くらいになるだろう。もちろん、個々人の得意・不得意は考慮に入れていない。

以下余談。Excelで正規乱数を作るには、専用の関数がないために、一様乱数をもとに「=NORMSINV(RAND())」する手法を見かける。それでもいいが、いちいち再計算される難点があろう。もっと簡単な方法は、アドインの「分析ツール」を使うことだ。この中の「乱数発生」を選べば、さまざまな分布の乱数が数値として挿入される。Excel 97でやってみると精度は今ひとつで、N(50,100)としたら50000を超える値が2つも出てくる(桁落ちしているのか?)など怪しい挙動もあるのだが、Excel 2000以降では改善されているものと期待しよう。

2005/10/25
歴代科学者の限界

山本義隆『磁力と重力の発見』(みすず書房、2003年)全3巻を読み終えた。第1巻を読んだのは去年のことになるが、第2巻「ルネサンス」、第3巻「近代の始まり」は近ごろ一気に読み通した。

表題の意味は、第3巻を読むころになってようやく理解できてくる。古代にはともに「離れていても作用する力」として一緒くたに扱われてきた磁石と琥珀が、磁力と静電気力に分離されたのはルネサンス後期のことだ。静電気力が近接作用として認識されたのちも磁力については遠隔作用と考えられ、それが惑星公転の理由づけにも用いられた。それが万有引力として分離されたのは、ニュートンによる。重力は、磁力との関連から発見あるいは創造されたのである。

さて、ここでは意地の悪い見方をしてみよう。昔の科学者の偉業についてはよく語られるが、何に関して間違っていたか・限界があったかという点については、あまり語られない。ニュートンが錬金術に凝っていた、というくらいだろうか。そこで、以下では天文学にまつわる話題で、誰が何に関して誤っていたかを前掲の書籍から得た知識を元に記す。曲がりくねりながらも科学が進歩していく様が見えると思う。

地動説といえばコペルニクスだ。彼は地球が公転していることは述べたが、実はコペルニクスの理論で太陽系の中心となっていたのは太陽そのものではなく、平均太陽と呼ばれるものを想定して中心としたらしい。また、彼が唱えていたのは静学であり、その点ではプトレマイオスと変化はない。太陽を楕円の一方の焦点とする楕円軌道を惑星が描くと正しく認識したのはケプラーである。

ケプラーはティコ・ブラーエの観察データから3法則を導いた。それどころか、万有引力にごく近いところにまで到達している。しかし、まだ慣性については得られていなかった。そこで、惑星が公転するためには常に何らかの力が必要だと考え、それを磁力に求めた。地球が巨大な磁石であることは以前から知られていたので、太陽もまた磁石であるとしたのである。

ケプラーの次はガリレイだが、地動説の悲劇のヒーローとしての一般イメージとは裏腹に、天文学を進めた業績はない。逆行した部分さえある。当時から月の影響が確実視されていた潮の干満について地球の自転と公転が原因であり、それこそが地動説を証明するものとしている。また、ケプラーの法則については無理解だったようで、惑星の円運動を仮定したままである。もちろん、慣性を発見したように力学に関する貢献は大きい。……疲れてきたので、このあたりでやめよう。

万人に奨められる書籍とは言いがたいが、科学と歴史との双方に興味のある人は、充実した読後感を味わえるだろう。

2005/10/21
続・メガネをかけるとモノはどれだけ小さく見えるか?

下の図を描いたときには結果に満足していたのだが、これって間違いではないかと昨日の朝になって思うようになった。最初はレンズの公式を使っていて、そんなものはなくても下の図で十分だとしたのだが、実際には凹レンズを通して虚像を見ているのではないか。

レンズと物体との距離をp、レンズと像との距離をqとすると、虚像の大きさはq/pとなる。ただし像の位置が近くなる分だけ拡大されるから、レンズと目との距離をkとすると、(p+k)/(q+k)だけ先のq/pにかけたものが見える大きさになる。ここからpとqを消してDで表わす。

先ほどちゃっと計算したら(1+k)/(1+k+kD)となって、得られる数値はおとといの1/(1+kD)とは微妙に(1%未満ではあるが)変わってくる。こっちが正解なのかなあ。それともどちらも間違いで、正しい答が別にあるのかもしれない。とりあえず、手近な人に質問しておいた。


2005/10/20
Wz Editor 4.0で文字コード指定再読込

Wz EditorでEUC-JPのファイルを開くと、文字コードをSJISと誤認識することがある。その場合いちいち〈ファイル〉-〈文書の情報〉のダイアログを出して再読込を行なわなくてはならず、不便だった。

そんな折、「作ろうTX-C」掲示板にK-Arakiさんが「指定の文字コードで開き直すコマンドマクロ」を投稿してくださった。さっそくUIEDITOR.CFGを編集し、以下のような〈ファイル〉メニューにしている。

2005/10/19
メガネをかけるとモノはどれだけ小さく見えるか?

メガネからコンタクトレンズにしたとき、用紙の大きさが判別できなくなることがある。A4の紙束をとったと思ったらB5だったということもあった。凹レンズでは実際よりもモノが小さく見えるというのは知識としてあったが、定量的に考えたことはない。そこで簡単に計算してみた。

0.012という定数は、目との距離が12mmになるようにメガネが設計されるとどこかで読んだ記憶に由来する。Dはディオプターで、メガネの度である。近視の場合にはふつう負値になっているが、ここでは絶対値で考える。強度近視になってくると、だいたい1割方モノが小さく見えるようだ。

   D         倍率             D         倍率
----------------------    ----------------------
 1.00    0.988142292       8.00    0.912408759
 2.00    0.9765625         9.00    0.902527076
 3.00    0.965250965      10.00    0.892857143
 4.00    0.954198473      11.00    0.883392226
 5.00    0.943396226      12.00    0.874125874
 6.00    0.932835821      13.00    0.865051903
 7.00    0.922509225      14.00    0.856164384
----------------------    ----------------------

当然ながら、この縮小率は「他人がレンズを通して当人の目を見たときに、目がどれくらい小さく映るか」という数字でもある。強度近視の人は1割方目が小さく見えている。面積比でいうと2割になろうか。それがどんな具合かは「できるかな?」を参照。

2005/10/18
もういちどHCL(ハードコンタクトレンズ)を使う

ニチコンのハードトーリックレンズが届いたというので、丹波橋の眼科まで取りに行く。あいかわらず左はよいが、右は何だか曇る感じがする。ふと視線を前に向けると、1m先のポスターの文字も読めない。いったいどうしたことだろう。

眼科医曰く、これはレンズが涙となじまず浮いている状態であるという。その原因は、はめる前に行なった擦り洗いにあるのだそうだ。レンズは涙を弾く素材でできているが、保存液はそれをコーティングする役割をも担っている。だから、レンズを外したあとは擦り洗いをしっかりと行なってほしいが、はめる前はレンズを水に軽く通すだけでよい、という。ただし例外はメニコンの製品で、こちらはレンズに表面処理をしてあるから関係ないとのこと。

カスタムレンズを作っているサンコンタクトレンズのページには、以下の下りがある。

HCLにひどい油性の汚れがついてレンズがくもっているように見える場合があります。くもりといっても様々で、実際に汚れが付いている時は、洗浄でよいのですが、汚れの付着ではなくエッジリフト(レンズの縁の浮き上がり量)が大きすぎるため、涙がHCLの前面に十分ゆきわたらないためレンズがくもり、汚れているようにみえる場合があります。

汚れでないのに、汚れを落とそうと強力にこすり洗いをすると、レンズ表面の状態が疎水化し水はじきをするようになるので、さらにくもりがひどくなり汚れが落ちないように見え、またゴシゴシこする、という悪循環におちいります。(中略)

……ゴシゴシこすってしまった後は、HCLの保存液で軽くこすって(コンディショニングといいます)、保存液にしばらく保存し、水道水で軽くすすいで装用して下さい。水道水によるすすぎの際は指でこすらないのがポイントです(なお、表面処理の劣化による水はじきには効果がない場合があります)。

使って2週間ほどの感触はというと、前のコンタクトレンズ(メニコンEX、メニコンZ)よりも快適であるのは疑いない。ただし、4〜5時間使っているとレンズが下方安定してくる。この点をどうするか検討中。

2005/10/14
Excel VBAとOOo Basic

Excel VBAを使って、データベースから必要なデータを抽出・操作する実験を行なっていた。これにはふつうADOという枠組みを使う。近年のスクリプト言語に慣れているとVisual Basicの配列操作の貧弱さには隔靴掻痒の思いを抱くが、ことExcel VBAにかぎっては2次元配列の扱いが充実しているのだ。ワークシートの形状を思えば無理からぬ話ではある。

この実験は、現在はExcel一辺倒で行なわれているデータ関連作業のほとんどをデータベースに移行する可能性をさぐるためのものだ。Accessは利用せず、データはPostgreSQLに持たせて帳票出力をExcelに担ってもらおうと考えている。このようにしておけば、Excelの技師にも導入しやすいのではなかろうかと思う。PostgreSQLは機能の豊富さもあるが、MySQLよりも開発ペースが落ち着いている点を評価している。

データベースにオープンソースを使うなら表計算もOOo Calcを使えばという話はあるし、たしかにそれも悪くない。ただ、現時点では線種などの表現力でExcelが上回っているのと、Visual Basic Editorがわりと使いやすいことがあって、OOo Calcには手を出していない。「VBAとOpenOffice.org Basicの互換性」を読むと、できなくはなさそうだという印象はあるが。


2005/10/5
Wordのバンドル

少し前の『朝日新聞』で、著作権問題のために国語の教科書傍用問題集から教科書本文が消えている(明治図書以外)という記事を読んだ。いわゆる赤本などでも、国語の問題を掲載しないところが出てきているという。内容自体はともかくとして、そこから2つのことを考えた。

ひとつは英語について。現在では国語ばかりが取りざたされているが、英文にだって著作権はあるはずだ。たとえば、東京の某私立高校の入試問題の英文はボブ・グリーンのものだった。しかしボブ・グリーンは、自分の文章が日本の高校入試問題に使用されていることを知っているのだろうか。下手をすると難しい単語が「改変」されている可能性もある。著作権侵害で突っ込まれるのが嫌なら、外国語の文章を翻訳して「国語」の問題にするのが手軽かもしれない。(ちなみに、問題文は『チーズバーガーズ』の「失格の烙印」だった。)

ひとつは教育業界の著作権意識について。はっきり言って教育業界は(企業も学校も)意識が低い。いちばん酷かったのがCD-ROM入りのテスト作成問題ソフトを購入したときである。作成されたWordファイルを開いてみると、どうもツールバーが妙な具合だ。そこでバージョンを確認してみると、なんと「Word 95」ではないか!

検索してみると、そのソフトの中にWordがバンドルされているのが確認できた。おそらくはVBAを利用したアプリケーションで、Word 97からVBAが変わったのだが何らかの理由で移植ができなかったため、Word 95をバンドルさせたのだろう。しかし、これはあまりに酷い。(ちなみに現在でも販売されている。)