2002/6/30
東京三菱銀行

ひょんなことから東京三菱銀行の口座を開設した。配達証明郵便でキャッシュカードが届く。封筒を開けて中身を確認したとき、キャッシュカードに打ち込まれている文字の書体に違和感をもった。見慣れたタイプライター風カナ書体が好きなのだが……。そういえば、あの書体は電子化されていないのかしら。

もっと違和感を感じたのは、「Bank of Tokyo-Mitsubishi」という英語の表記だ。この表記が英語になっているのか、識者に聞いてみたい。

「Bank of Tokyo」なら、問題なく自然で正しい英語だ。「Bank of Kyoto」もいいし、「Bank of Japan」とか「Bank of England」もよい。しかし、「Bank of Mitsubishi」はどうだろう。「三菱」は地名ではなくて名前なのだから、これにofをもってくるのは奇妙だ。「東京三菱」と合体した時点ですでに地名ではなくなっているのだから、すなおに「Tokyo-Mitsubishi Bank」とすればよいのに。

似たような例がマーク・ピーターセン『日本人の英語』(1988年、岩波新書)に載っている(p.82)。

この前,私の勤める大学の学園祭で,学生テニス同好会のクラブ・ジャンパーの背に次の言葉が大きく,派手な文字で書いてあるのを見かけた.

University of Meiji Tennis Club

いうまでもなく,明治大学のことを英語でいえば正確な名称はMeiji Universityであり,University of Meijiという英語はありえない.

2002/6/29
画面上のRGB値を得るソフトウェア

Mac OSに付属するDigitalColorメーターは、画面上の任意の位置の色指定値(RGB値)を取得するソフトウェアである。よく使う場面は、Webを閲覧しているときだ。いい色があったときに、その指定値を確かめるのに使っている。

DigitalColorメーター

これに似たようなソフトウェアがWindowsにもあるはずだと考えて探してみた。けっこうある。今回は、FindColor 3.02Colors 1.0RColorパワースポイト 1.2.1CCP+ 2.20GetRGB 1.0AOK Color Picker 1.0.1.2を試してみた。結果、GetRGB 1.0とAOK Color Picker 1.0.1.2を常用することにした。

GetRGBのいいところはDigitalColorメーター同様、起動した時点でRGB値が取得できる状態になっている点だ。どんな色指定なのか調べたいときに、余計なワンクッションは邪魔になる。上で挙げた中でこのような設計になっているのは、GetRGBとパワースポイトとの2作品だった。パワースポイトはGetRGBと似ているのだが、たとえば「赤」のカラー値が「#FF0000」ではなく「#FF」となって後半の0が無視されてしまう。

AOK Color Pickerは、画面構成のセンスがすばらしい。GetRGBには拡大表示機能がないので、それを補う意味もある。

2002/6/28
コンタクトレンズ損害保険

今年はコンタクトレンズを新調しようと思い立った。いま使っているのを購入したのは96年で、そのあと3度紛失したことを勘案しても、軽く4年は経っている。いま使っているのはメニコンの「メニコンEX」だが、サイトを見ると新しいハードレンズが出ているようだ。最新(といっても発売は97年だが)の「メニコンZ」には紫外線吸収機能もある。

それより感心したのは、「メルスプラン」という同社のサービスだ。これは、無料の取り替え保証や破損保証、毎年1度のレンズ交換を月額1800円で実施するものである。コンタクトレンズ損害保険、といった感じか。

このサービスの企業にとっての利点は、何より安定した収入が得られる点だろう。コンタクトレンズの原価などたかがしれているから、利用者にいくら交換されたところで懐は痛むまい。(もっとも、コンタクトレンズの販売が不安定な商売とは思わないが。)

利用者にとっての利点もある。それは安心感だ。使い捨てレンズが受ける要素のひとつに、1枚あたりの価格が安いので落としても安心、というものがある。このサービスは、これと同等とは言わないまでも、それに近い安心感を提供している。

2002/6/27
あまりに先進的

23日の岡山県新見市長瀬・市議選で、全国初のタッチパネルによる電子投票が行なわれた。電子投票分の開票作業は、25分ですんだという。(『朝日新聞』東京版2002年6月24日朝刊による。)ただし、現行方式で実施された不在者投票分の集計に2時間かかっている。

ところで、投票内容が記録された媒体はコンパクトフラッシュだった。この方式では、投票内容が直接には確認できない。この方式が全国的に実施された場合、何らかの事故や事件が起きないだろうかと危惧される。「頓間区選挙管理委員会、誤ってコンパクトフラッシュ30枚を破損。3万人の投票が無効に」といった見出しが踊らないことを願う。

もう少しゆるやかな改善はないものだろうか。選挙の場合、電子化するのに効果があるのは投票作業ではなく集計作業であろう。被選挙人の名前を書くという現行の投票方式を、パンチカード式やマークシート方式に改めるだけでも、集計の手間はずいぶん省けるはずだ。こちらの方式なら紙に記録が残っているので、機械の故障など不慮の事故にも強い。

2002/6/26
水虫その後

医者から処方を受けた薬を塗る。この薬は効能あらたかで、わずか3日にして痛みとかゆみが終息した。水疱ができる→圧迫して患部が痛む→水疱が割れる→傷ができる→細菌が入る→化膿して患部が痛む→水疱ができる……を繰り返し、歩くたびに頭の中で半鐘が鳴っていた状態が遠い過去のようだ。

あとは、サボらずに90日間薬を塗りつづけることだ。

2002/6/25
エセSCSI

SCSI接続の外付けCD-Rドライブは、実はドライブそのものはATAPIであることが多い。たとえば、私が使っているメルコ「CRWS-SB1210」の蓋を開けると、中に入っているのはプレクスターの「PX-W1210TA」だった。ケースの内側にATAPI・SCSI変換器を搭載しているだけだ。正しくSCSI機器として計算機から認識されるのであれば、それはそれで一向に問題がない。

疑問は、もし内蔵ATAPIドライブを交換したときにも正しくSCSI機器として認識されるだろうか、ということだ。仮に、そのCD-Rドライブが故障したとしよう。このとき、外付けのSCSI CD-Rドライブを買うのではなく、より安価な内蔵用ATAPI CD-Rドライブを購入して、ケースの中身だけを交換して正常動作させることは可能だろうか。

2002/6/24
出藍の誉れ

「青(あを)は藍(あゐ)より出でて藍より青し」は『荀子』の言葉だ。考えてみれば、「あゐ」は訓読みである。中国語だったら、青と藍とでは読みようがだいぶ異なるだろう。そう思えば、訓読したこの諺は元の中国語よりもよくできていて、まさに表題の例になっている。

2002/6/23
使いやすいと言いたいけれど

Mac OSには、その名のとおり「グラフ計算機」という名前のグラフ計算機ソフトウェアが付属する。このソフトウェアは、使い勝手が実に工夫されている。だから、初等関数のグラフを表示させるときにはMathematicaなどは使わず、もっぱら「グラフ計算機」の世話になる。古いMac使いにしか理解できないかもしれない比喩をあえて用いれば、MacWriteやMacPaintに匹敵する使いやすさだ。なお、開発元はPacific Techである。

――ここから先、「グラフ計算機」で使い勝手のよい部分を説明しようと試みたのだが、うまく書くことができない。キー操作の部分だけで4段落を超えてしまって、くどくなってしまう。使い勝手に関する部分は、言葉で説明するより「使ってみてくれ」としか言いようがなさそうだ。敗北感を味わう。

グラフ表示以外の機能としては、式の展開・(偏)導関数の計算がある。残念ながら、因数分解や積分の数値計算は不可能だ。このソフトウェアはWindowsにも移植されていて、「NuCalc」という。Mac版とほとんど変わらぬ使い勝手である。

2002/6/22
計測機器の貸し出し

前々から思っていることのひとつに、不快に感じる騒音を可視化して分類することがある。騒音の内容を他人に伝えるのは、難しい。文章では不可能だし、録音したところでレベルが異なってしまう。できるのは、周波数ごとのノイズレベルをグラフで示すことくらいだろう。

小野測器「騒音計とは」を読んで、騒音計を使ってみたいと思うようになった。ところが、これらは安いものでも10万円を下らない。ふつうの人には手が出ない価格だろう。レンタルもあるにはあるが、どうも大仰で、個人消費者向けには見えない。

大型量販店の静音関連商品コーナーで、こういった計測器のレンタル業をはじめてはどうだろう。盗難対策などの点で難しいだろうか。

2002/6/21
athlete's foot

3月末に捻挫して以来、右足の具合が悪すぎる。捻挫の症状はひと月ちょっとで消えたが、5月には化膿するし、今月に入っても治るきざしがない。水疱ができて、歩くと水疱が圧迫され、控えめに言っても痛い。この症状はひょっとして水虫ではないかしらと、症状が出て2カ月経って気がついた。

もっとも、皮膚病は原因不明な部分が多いから、勝手な素人判断によって症状を悪化させることもありうる。よって、専門家の診断を仰ぐのがよい。総合病院は混んでいそうだから、皮膚科の専門医院に行くことにする。近所をあたったら「宮元皮膚科クリニック」というものがあったので、学校を休んで午前中から伺う。

期待に反して皮膚科は混んでいた。平日午前だというのに、私が受けとった番号札は20番で、つまり前に19人の患者がいる。また、女性が多かった。というより、男が私ひとりしかいなかった。院内には基礎化粧品の案内があったり、もしかして金儲け優先の病院なのかと危惧される。そのいっぽうで、今月は学会のため診療時間が変わっています、といった、学術的な面もある。

疑問は中に入って氷解した。先生が女性だったのだ。顕微鏡があるので、モグリの医者ではなさそうだ。(皮膚科で真菌検査をするのに顕微鏡がなければ話にならない。)右足小指にできた水疱の破片を5枚ほどピンセットでとり、プレパラートを作る。先生は顕微鏡を覗くなり、「あっ、一発ですね」と言った。つづけて、「うわあ、かなりいますね。ということは、広がるということです。この症状だと患部から細菌が感染することもあるので、その薬もあわせて処方しておきます」とのこと。

薬局でもらった薬は、ラシミールクリーム(対真菌)、ゲンタシン軟膏(対細菌)、亜鉛華軟膏(炎症抑止)の混合物。


2002/6/20
更新ファイルが下にくる

Windows 9x/NT 4/2000のエクスプローラーは、新規に作成したファイルや更新したファイルが、フォルダー内の最後尾に表示されるようになっている。この仕様が不便なのは、ファイルの表示方法を「詳細」にし、最新日付順に並べたときだ。最も新しいファイルがいちばん上にきてほしいのに、更新したファイルが最下部に移動してしまう。XPでどうなっているかは知らない。

2002/6/19
立川参り

16日に触れたPowerMac G4/PCI 電源ファンの風切り音は、ひょっとしてサイレンサーの装着で低減できるのではないか。マイクロソリューションの「MORE SILENT CALMTRAP #8050」があることを知り、立川のビックピーカンに出向く。5階周辺機器コーナーになくて発注したところ、そのあと寄った6階Macコーナーで売られているのを目撃し、5階に戻って事情説明したのち購入する。

とりつけた効果は、残念ながらよくわからない。サイレンサーをシール付けしたときに「しまった」と思った。電源をオンにしておいて、サイレンサーを付けたり離したりすれば、効果がよく確かめられただろう。軽率な行為を反省する。

立川のビックピーカンには、オウルテックのOWL-101-Silent(Micro ATXケース)もASUS Terminatorも展示されていた。こうして見くらべると、Terminatorの奥行きの小ささ(27.5cm)が実感できる。この製品は好まれそうだ。使用報告のページを見ても、猿の腰掛けEX/inや、ASUS Terminator 活用メモおうちでサーバなど顧客満足度が高そうである。

2002/6/18
テキストを読み上げる

文書を校正することがある。最終出力がすでに紙で出ていて、それを見ながら電子ファイルの相違部分を修正する。しかし、目で違いを探しただけでは見逃してしまうこともある。

そこで、テキスト読み上げソフトウェアを利用することにした。Mac用のソフトにむかしDTalkerというフリーウェアがあって、表計算ソフトに入力した数字の読み合わせに同ソフトを使っている人がいた。そこからの連想である。

WindowsにはSpeech APIがあるそうで、(a)テキストスピーチのエンジンと、(b)それを利用するアプリケーションとを組み合わせて環境を構築する。(a)には、マイクロソフトのText-to-speech Engineや、IBMのProTALKER 97 エンジンがある。(b)としては、私が試した範囲ではSpeech Pad 2が手軽で使いやすかった。

(a)における2者の比較をすれば、音質や性能はText-to-speech Engineのほうが優れている。ProTALKER 97は、子音の「sh」が汚く聞きづらい。語彙も前者のほうが豊富だ。ところが、Text-to-speech Engineの日本語モジュールは管理者権限でしか使えず、しかも高低や速度といった音声の設定が保存できない。ProTALKER 97 エンジンを常用することにした。

「Speech Pad 2」のWebページには、「NT系OSの場合、Administrator権限での動作を対象としています」とある。これはひょっとすると、前述のText-to-speechの制限を指しているのかもしれぬ。私の環境では、管理者でログオンしていなくとも正常に起動し、ちゃんと発声してくれる。

当然ながら、音声による確認では同音異義語の誤りは発見されない。だから、見て確認することも必要だ。こちらの用途には、T-Timeを使用している。

2002/6/17
花札

日本のゲームカードに花札がある。4枚セットで1つの月を表わし、1月から12月まで松・梅・桜・藤・かきつばた・牡丹・萩・すすき・菊・紅葉・柳・桐とつづく。トランプも、13組4スーツではあるものの、4枚が単位になっている。もともと起源は同じで、南蛮から伝わって日本でも賭博に使用されたカルタ(トランプの原型)が江戸幕府に禁令を受け、賭博性を隠すために花鳥風月で擬装されたものが花札のようだ。だから、初期の花札には和歌が添えられていた。

サイトを手当たりしだいに参照して、花札の雑学を得る。(a)11月の札は蛙に小野道風だが、明治以前は盗賊斧定九郎(仮名手本忠臣蔵の登場人物)が雨中で逃走する場面だった。(b)赤い短冊の文字は、「あのよろし」ではなく「あかよろし」である。「の」に見える部分は変体仮名で、可の崩し字。(c)桐の上にいる鳥は鳳凰。(子供の時分、この絵がらが気持ち悪かった。)参考にしたサイトが10を超えるので、ここではネタ元をいちいち書かない。いずれもGoogleで見つけたものだ。

2002/6/16
耳をすませば

わが家のPowerMac G4/400 PCIでうるさい部分は、たかだか2カ所に絞られるようだ。ひとつは、購入当初から内蔵されているWestern Digitalのハードディスクドライブで、この高周波は耳につく。もうひとつは、電源ファンから出るホラ貝のような音。風切り音ではないかと推察している。こちらは低音で、音の大きさのわりにさほど気にならない。

G4をうしろから写したもの

ファンの覆いのプラスチック部分を切りとれば、風切り音がかなり減少するのではなかろうかと思いつつも、恐くて実行できない。

2002/6/15
アナログ接続のちらつき

液晶ディスプレイをアナログ接続しているとき、位相もクロックも合わせているのに画面が微妙にちらつくことがある。これは、背景が白いときよりも緑(#336600)のときに明確に感じられる。

2002/6/14
必要に応じて改行したい

Webページの見出しで、もう少しうまく改行されるといいのに、と思ったことはないだろうか。たとえば、「インフレーションの悪とは何か」という見出しがあったとしよう。これが、画面の都合で以下のように表示されたとする。

インフレーションの悪と
は何か

上は、かなり都合が悪くないだろうか。切るべきところで切れていない。せめて、

インフレーションの
悪とは何か

とか、できれば

インフレーションの
          悪とは何か

となるような才覚を求めたい。分かち書きをしない言語のために、「もし改行しなくてはいけない事態になったらここで改行する」というタグ(より広義には、単語の切れ目を明示的に指定するタグ)があればいいのだが。

2002/6/13
QGREPを使う

ある人から、WZ GREPでは機能不足なので、もっとよいソフトウェアはないかとの話を受ける。それでWeb界隈を探してまわった結果、QGREPがよいのではないかという結論に達した。

機能面でWZ GREPと比較したときに、QGREPが優れているのは第一に複合検索(and, or, not)が容易にできることだろう。同一視検索も便利だ。これは、たとえば「渡辺」「渡邊」を等しく検索できる。ほか、前n行後m行出力する機能もいい。パスも出力されるので、タグジャンプもできる。

使い勝手も、わりとよい。特に、ディレクトリ構造が画面表示されている点がよい。指定ディレクトリの変更が、たちどころに行なえる。WZ GREPなら、標準ダイアログボックスを出すか、あるいはディレクトリ名を手入力しなくてはいけないところだ。

2002/6/12
ロックは無用

ロック『教育に関する考察』(岩波文庫)を読んでいる。はじめは真面目な意図で読もうとしていたのだけれど、第1章で調子が狂ってしまい、結局まだ第2章の途中までしか読めていない。第1章は「身体の健康について」で、子供を健康に育てるための医療面からの診断が載っている。ロックが医者だったとしても、ニュートンの少しあとの時代なのだ。変な勧めのオンパレードで、それがおかしい。

食事に関して、特に変な傾向が強い。たとえば、子供の食事は不規則なほうがよいのだそうだ。というのは、規則的に食事を与えると、その時間の前に空腹になって子供がイライラするからだという。また、3〜4歳までは肉はいっさい食べないほうがいいらしい。果物は、メロン・桃・李・ブドウは健康によくないがイチゴ・サクランボ・リンゴはいいのだそうだ。ロックの患者の中に、メロンにあたった人でもいたのだろうか。

そのほか、冬でも冷水に浴びさせよとか、ふとんは硬いほうがいいとか、基本的な主張は鍛錬せよということのようだ。なお、題名は関西テレビのテレビ番組名「ノックは無用」からとった。横山ノックが選挙中のときだけ、番組名が「ロックは無用」となっていた。

2002/6/11
視力維持の努力

ブラウン管は目が疲れるという話題に関連して、ある人に視力を尋ねたところ、1.5だという。それで感心して「目が強いんだね」と発言したのだが、この発言は相手にとって心外だったようだ。曰く、視力を維持するための努力をしているのだそうだ。詳しい話を聞いて、びっくりした。テレビを遠くから見るのは常識。本を陰で読むことはしない。それどころか、寝ころんで読むこともない。必ず机に向かって姿勢を正して読むのだという。いつも寝そべって本を読んでいる者にとって、耳の痛くなる話だった。


2002/6/10
Type1の日その2:mathabx

ついでにmathabxのType1化を検討する。この数式書体は、Computer Modernを活かしながら改良を加えたもので、随所に工夫が凝らされている。私が気に入ったのは∂記号で、CMにあった圧迫感が消えている。たとえばJacobianを書いてみれば、それがよくわかる。ただ、フォントソースがMetafontのかたちでしか用意されていないため、汎用性に欠ける。下のソースをtypesetしたとき、上図がCM、下図がMathabxである。

\[
 \iint_D \left( \frac{\partial Q(x,y)}{\partial x}
 - \frac{\partial P(x,y)}{\partial y} \right) dx \, dy
\]
グリーンの定理の一部(CM)
グリーンの定理の一部(Mathabx)

Type1書体を作ること自体は、TeXtraceを利用すれば(かかる時間はともかく)容易にできる。などといって実はmathu10の変換の際にGhostScriptでstackoverflowが出てしまうのだが、このフォントは際物っぽい記号の集合なので、放っておこう。それ以外の書体は変換できたので、寸暇を惜しむ人のためにmapファイルとセットで用意(1106KB)しておいた。いつか誰かがよりよいものを作成・配布してくれるだろう。

追記020611。個人的には、このmathabxに加えて、ギリシャ小文字の部分をibycusから流用すれば、記号そのものに関してComputer Modernの不満はまったくなくなる。以下に、ギリシャ小文字にibycusを使った例を挙げる。


2002/6/9
ハイテク交番

井の頭公園の南側を通り抜けていると、途中で交番を見かける。少し前から無人化されたと聞いていたので取り壊すのかと思っていたのだが、そうではなかった。交番の表に「ハイテク交番」と書かれている。興味津々で近づいていくと、交番の中には銀行のATMのような機械が据え付けられていて、そこで近所の交番と電話連絡がとれるようになっているようだ。また、地図も表示できる。ロボコップみたいなものを想像したので、少し拍子抜けする。

2002/6/8
Type1の日その1:Palatino Light

円高になっている記念に何か買っておこうと考え、結局Palatino Lightを買うことにする。Palatinoは好きな書体のひとつなのだが、Regularは本文には太い。紙面が黒く見えてしまうし、和文の従属書体にも使いづらい。その点Lightは気軽に使えそうだ。TrueTypeとType1とから選べるので、後者を購入。

このフォントをTeXから使えるようにしたい。このようなときには例によってfontinstを使うのが便利だ。ただし今回注意しなくてはいけないのは、PalatinoがAdobe基本35書体の中に入っている点だ。やらなくてはいけないのはウェイトを追加定義することであって、ファミリーを定義するのではない。同時購入したMediumも加えておく。

結果はわりと良好で、これならEulerと混ぜても数式が埋没しない。ただ、Lightを基本線にしてしまうと、ローマン扱いの数学記号(limとかsupとか)が細くなりすぎてしまう。この部分だけRegularで通せばいいのだろうか。

しかし、LightとMediumとでRoman/Italicの各シェイプを買ってしまったから、我ながらアホな出費を重ねている。自分ではやりくり上手だと思っていたのだが、けっこう始末・倹約の類は苦手なのかもしれない。刷り上がりを見て、妙に落ち込んでしまった。

2002/6/7
絵の練習

やる気が起きないときには、とりあえず手を動かしてみる。『じゃりン子チエ』の絵が描けるようになろうと決意して、まずはトレースをしてみる。なるほど、目を小さく描くことが重要なようだ。あごの線は直線に近い曲線。髪の毛の左側のギザギザは5回。目の位置は顔の真ん中からやや下、眉毛の位置は髪の毛と目との中点あたり。

以上の見当をつけてから、練習する。ちなみに、道具はボールペンと水性マジックである。(c)はるき悦巳、双葉社ということで、練習中の絵を紹介。下は、20枚ほど描いた中で比較的うまく描けたものだ。(参考:「竹本チエの顔の変化」。)

竹本チエその1 竹本チエその2

2002/6/6
CUI環境を整える

角藤先生のサイトからTeXtraceのWindows版をダウンロードして解凍したところ、中に「zsh.exe」という実行ファイルがあった。興味本位で他のサイトをあたって調べ、試してみる気になる。「[zsh] Windows でも zsh を使いたい」から.zshrcを拝借して、「zsh for the working researcher」を参考に書き換える。機能の0.3%ほどしか理解していないが、便利だ。ただし、中でw3mを起動しようとすると以下のようなエラーが出る。

      8 [main] w3m 420 handle_exceptions: Exception: STATUS_ACCESS_VIOLATION
   5801 [main] w3m 420 open_stackdumpfile: Dumping stack trace to w3m.EXE.stackd
ump

8bit cleanだなと思う瞬間は、日本語のファイル名をペーストしたときだ。(ちなみに、プロンプト内では選択してEnterキーでコピー、右クリックでペーストである。)bashだとエラー音が鳴るだけだが、zshだと文字化けしつつも表示する。のみならず、ちゃんとstartなどに反応するのである。

ところで、Windowsでのコマンドプロンプトの背景色を人はどのように設定しているのだろうか。標準では黒背景に灰色文字だ。単色の場合にはこれでかまわないのだが、lsなどでカラー表示させるときに、黒背景は見づらい。より正確には、青文字が私には見えにくい。PlayStation版のドラクエはセリフ部分の背景色がファミコン版時代の黒から濃灰色へと変化していたのを思い出して、以下のように背景色を変えてみた。多少は見やすくなっただろうか。(下の縮小画面を選ぶと原寸が得られる。)

zshの色

その他の話題。(1)lessのかわりになるlvというページャーを「Cygwin Information 2002/02/16」で知る。(2)Cygwinを更新してからPermission Deniedでtouchすらできなくなって焦った。これはユーザー環境変数に「CYGWIN=ntsec」が定義されていたためだった。藤枝和宏さんの「Inside Cygwin 第7回 UNIXのアクセス権限のエミュレーション」を読んで、事態を把握した。

2002/6/5
実に鼻が高い

変換すると「実に花形回」となってしまった。「鼻が実に高い」とすると別の意味になるから、「鼻が高い」で形容詞として単語登録しておく。

2002/6/4
フォント置換続報

もう1年も前の話になる。Windows 2000のPSドライバーにあるフォント置換機能で、任意のTrueType書体を見出ミン、見出ゴで置き換えようとすると不正なPSファイルが作成されると書いた。これについて、もう少しわかったので以下に記しておく。

複数の書体で置換を試みてみた。すると、リュウミンL、MはよくてH、B、Uはダメ。新ゴL、MはよくてBはダメ。じゅん101、34はよくて501はダメ。ここまで書けば推測できよう。すなわち、LightからMedium以外のウェイトをもつ書体が置換できないようだ。たしかに、標準ではRyumin-LightかGothicBBB-Mediumでしか置換しないのだから、ふつうは気がつかない。新ゴMが置換できたのは、Mediumだからだった。

なお、「ダメ」な場合の症状は、指定しているプリンターのPostScriptバージョンによって変わるらしい。CID搭載プリンターを指定してPS出力した場合には、MS明朝、MSゴシックが埋め込まれる。いっぽうOCF搭載プリンターのときには、MS明朝、MSゴシックをラスタライズしたType3フォントが埋め込まれる。

このあたり、Windows XPではどのようになっているのだろう。もしWindows XPを使っていらっしゃっれば、任意のPSプリンターでフォント置換実験を行なっていただけると嬉しい。

なお、現在は先に置換可能な書体に設定してPSファイルに出力し、そのあとでPSファイルを開いてフォント名を置換することで対処している。

2002/6/3
「ごまかし勉強」と正当な勉強

藤澤伸介『ごまかし勉強』(2002年、新曜社)を読む。期待していたほどおもしろくはないが、いくつか目につく部分もある。特に、80年代以降に教材業者や受験産業界がいかに「ごまかし勉強」を拡散させていく戦略をとったか、という部分に著者の個性が出ている。なお、「ごまかし勉強」とは以下の特徴をもった勉強方法だそうだ。

(1) 学習範囲を限定する(これだけやればOK)
(2) 与えられたものしかやらない
(3) 機械的な暗記に走る
(4) 単純反復をよしとする
(5) 結果を重視する

この著者の主張は、80年代の受験産業の拡散によって、小学生のころから「ごまかし勉強」をはじめる子供たちが多くなった――というものだ。なお、著者はこの現象を雪印の偽装表示事件にまでからめているけれど、それは行き過ぎというものだ。

この本を読んで改めて認識したのは、内容を減らせば深い理解につながるという発想は、教育現場においては有効に機能しないということだ。1967年の中学校理科で学習されていた化学反応式の量は、旧課程(現行の1つ前)の5倍ある。では、記憶すべき式の数を減らせば深い理解につながるかといえば、そうではない。憶えるべき式が60本もあれば丸暗記は不可能だが、たかだか12本なら丸暗記できる。つまり、旧課程では丸暗記して試験だけは乗り切れるわけだ。(なお、現行課程ではさらに減っている。)

2002/6/2
わかること

山鳥重『「わかる」とはどういうことか――認識の脳科学』(2002年、ちくま新書)を読む。いいかげんなまとめ。

前半3章は、わかるための基礎を扱っている。著者によれば、わかることの土台には記憶があるという。ここでの記憶の意味範囲は広く、反射のような行動も「種としての記憶」として位置づけられている。その記憶をもとに、外界の情報を知覚することで「わかる」のだそうだ。

第4章では、「わかる」ことの種類が述べられている。(a)全体像がわかる、(b)分類してわかる、(c)筋道がわかる、(d)空間関係がわかる、(e)仕組みがわかる、(f)規則にあわせてわかる。第5章は「わかる」瞬間に関する話で、わかることと事実とは独立した概念だという主張などが語られる。

それほど有意義な読書体験だったわけでない。記憶に関する部分では、別の本をあたったほうがよい。関西文化人たらんとしている形跡は見受けられるのだが、私にいわせれば失敗している。ただ筆者は脳機能障害患者の臨床医で、症例の紹介に関する部分はおもしろい。

この本で、ネッカーの立方体をひさしぶりに見た。正直に言って、2とおりの見かたを発見するのに5分以上かかった。「ああ、ウチは日本一空間がわからん少女や」(じゃりン子チエ風)と真剣に悩んでしまった。

2002/6/1
「社長」と歩く上野

上野到着時刻は16:30で、ちょっと遅かったかもしれぬ。秋葉原でかなり歩きまわったせいか、右足の具合が悪化した。足を引きずりつつ歩く。こどもの日で上野動物園が無料開放されていたのだが、たいへんな人だかりで見物する気が失せた。途中、東照宮でぼたん苑をやっているというポスターを見たので、そちらをまわることにする。

「立てば芍薬、座れば牡丹」というが、どちらもボタン科だ。そんなにボタンがいいだろうか。それはともかく、ボタンもシャクヤクもきれいだった。よく見ると、ボタンの花びらは内側の色が外側よりも濃い。これはどうしてだろう。(A)花びらの内側があとで形成されているあいだに、先にできていた外側の色が抜けた。(B)色素の量は同じだが、内側のほうが面積が小さいので濃くなっている。(C)その他――などなど、社長と相談するも、決定的な説明が思い浮かばない。