2002/4/30
依存地獄からの脱出

前回までのあらすじ――素人の私が機能増強の突き上げのためMac OS+WebSTARからLinux+ApacheへとWebサーバーを移行した。こんどはKさんの指導のもと、MySQLとPHP4とをインストールしなくてはならない。rpm禁止令を受けているので、ソースからmake installする。

PHPをインストールしたいがしくじる→その前にMySQLをインストールしなくてはならないが、しくじる→その前にORBit2をインストールしなくてはならないが、しくじる→その前にlibiconv、pkg-config、libIDL、glib、linc、expatをインストールしなくてはならない……、と、どんどん目標から遠ざかっている感があった。根本的には私がちゃんと理解していないのが問題なのだが、平日に計算機に向かえる時間がほとんどない。

Kさんの多大なる支援のおかげで、PHP4 4.2.0の設定までこぎつけることができた。

2002/4/29
転居先への配送

郵便事業に民間が参入したとき、郵便物の転居先への自動転送は行なってくれるのだろうか。

2002/4/28
メネラウスの定理の原理

今年度から家庭教師をはじめてするようになった。パソコンの家庭教師は以前からさせていただいているが、ふつうの勉強を見るのははじめてで、さすがに緊張した。

このまえ行ってみると、わからないという塾のプリントが差し出された。平行線と線分比の単元で、メネラウスの定理を練習させるものらしい。下図左で、青い線分の比が既知であり、赤い線分の比(AF : FE)を求めよという問題である。演習問題では、この赤い部分がいろいろな線分へと変更されている。

メネラウスの定理確認問題1メネラウスの定理確認問題2

私が中学生のときには、メネラウスの定理など知らなかった。高校でベクトルを学習しているとき、知っていると便利な公式として教わった。そのとき中学生だった妹が同じ公式を塾で習っていたので衝撃を受けたことを憶えている。同定理によりAD/DB \times BC/CE \times EF/FA = 1から、赤い部分の比がわかる。ADからDB……などと線分を移動していくのが、最初のころは難しいようだ。一周して戻ってくるようにする――と、高校の時分に習ったとおりに教えてみる。

しかし、どちらかというとメネラウスの定理はヘロンの公式などと同じく末成りで、学習内容をしっかり理解しないうちから公式の適用だけ学ぶのは好ましくないと私は考えている。理想としては、上図右のように補助線を引くことで解決してほしい。そうすると、AF : FE = AD : DHとなる。また、BE : EC = BH : HDである。以上から比を合成すれば求める答が得られる。

ここで大切なのは、どのように補助線を引くか、ということだ。闇雲に引くのも幾何少年には楽しいのだろうけど、原理が示せないことには教育とは呼べないだろうと思い、家庭教師先でしばらく悩む。(もちろん私はこれまで闇雲に引いており、しかも幾何少年でもないから失敗すると途方に暮れていた。)5分の思考ののち、以下のように考えればよいのではないかという結論に至った。

平行線と線分比では一方の線分から他方の線分へと「比が移せる」ことを理解するのが学習課題としてある。この問題では、既知である2本の線分比から未知の1本の線分比を導出することが課題になっている。解くためには、3本の線分比をうまく関連づけなくてはならない。山本矩一郎の言葉を借りれば、1本の線分に比の情報を集中させることが鍵である。

1本の補助線を引くことで3本の線分比を関連づけるためには、どうすればいいか。そのためには、2本の線分の「結び目」から残りの線分へと補助線を引けばよい。そうすれば、1本の補助線で3本の比の情報が連結できる。上の図で見ると、2本の線分の結び目となるのは点Bか点Eだ。ところが点Bは頂点で、そこから平行線を引くことはできない。よって、残りの点Eから平行線を引けばよい。

この方針で、まずは大丈夫だと思う。たとえば赤い部分が辺DCで、DF : FCの比が知りたければ、補助線は点DからBCへ向けて引くことになる。

2002/4/27
教科書と現場

たいへん優れた検定済教科書があったとしても、それが採択されているとはかぎらない。仮にその教科書が採択されていたとしても、その内容が現場で教えられているとはかぎらない。

4月10日の『朝日新聞』では、「数学でも、『資料の整理』や『標本調査』など、経理や家計簿作りに欠かせない統計が、中学の教科書から消えたのに、数Iには入らない」と、その事実を否定的に語っている。(「欠かせない」とか「のに」という単語を見れば、その文脈がわかるだろう。)

まず、「資料の整理」で経理や家計簿を扱っている教科書があるだろうか。家計簿などは統計のうちに入らないだろう。中学校での学習内容は、度数分布表とヒストグラムとの作成、仮平均のとりかたくらいだ。しかもそれは「作成」することに重点が置かれ、その意味は問題とされない。

生活単元として戦後に忍び込んだのであろう同単元を疑問視する声は、60年代からすでに上がっている。たとえば増山元三郎『デタラメの世界』(1969年、岩波新書)は、中学校段階では記述統計を試みるよりも確率や推測統計に切り替えたほうがよいと主張している。

さらに、この単元が中学校の現場でどう扱われているか。私が受けた教育と近辺の中学校での実施状況とから見るかぎり、この単元はn進法と同じく邪魔者扱いで、年度の終わりに少し触れられれば十分といった具合だ。それにも納得がいく。中学校数学において「資料の整理」は明らかに異質で、しかも数学の本流ではないからだ。

一般的に、「ゆとり」教育の現状は「ゆとり」ではまったくないと私は認識している。しかしながら、内容の削減にむやみに反発するのも賢いことではない。削ってはいけないところが削られ、削るべきところが残っていることこそ問題である。

2002/4/26
Yahoo!のゲーム

非力な計算機を使っているので、makeに1時間以上かかることがある。手伝いにきてくれたT氏は、手持ちぶさたになってWebにアクセスしはじめた。Yahoo!を選ぶと「ゲーム」欄に移り、将棋をはじめている。ネット上で他人と対戦できるゲームがあるのは承知していたが、Yahoo!にもそれがあるとは知らなかった。

2002/4/25
Netscapeリサイズ問題

Webサイトでフレームを使うのをやめてスタイルシートの絶対位置指定でモノを配置したとき、Netscape Communicator 4.x(全platform)では窓をリサイズすると配置が崩壊してしまう。実のところ窓の大きさを変えることなどそうはないのだが、全画面にしたときにも同様になるし、避けられるなら避けるに越したことはない。

マクロメディア「DreamWeaver Support Center」のテクニカルノートは、「ブラウザをリサイズするとレイヤーでの配置がくずれる(Netscape) 」と題して問題と対処法を紹介している。それによれば、bodyの要素として「onResize="window.document.location.reload()"」と書いておくことで、リサイズするたびにページの更新をして問題に対処できるという。

よりよいとおぼしき対処法が、Tek-Tips Forumsの「refresh onresize problem」に掲載されていた。以下に記す方法は、(1)Internet Explorerでは無駄な更新がない、(2)より高速である、(3)body要素に変なものがつかず外部化が行なえる、という3点で、先の段落のものよりも優れていると考えられる。

<script type="text/javascript">
    window.onResize = reloadIt;
    function reloadIt() {
        document.location = document.location;
    }
</script>

2002/4/24
上級マクロ経済学にて

大学院の授業がはじまって2週間ほどになる。一橋大学では修士5年一貫教育が行なわれているから、優秀な方々は1年で修士号を取得されるわけだが、私はもちろんそうではない。教職課程をとることにしたため、時間の都合をつけるのが大変になっている。打ち明け話をすれば、この日記も休日にまとめて書いている。

統計と数学関係の授業は教職課程で履修する必要があるので、通常の教育課程では上級マクロ経済学・上級ミクロ経済学を履修した。なにしろ3年ぶりの経済学なので、何もかもが目新しく感じる。まだ、経済学的な手法にはなじめていない。対数微分したほうが簡単になるじゃんと思って実行し、かえって複雑にしてしまうなど、墓穴を掘ることも多い。

4月病なのか、他の講義を含め楽しくてしかたがない。

2002/4/23
CGIの移行

@niftyでは自前で用意したCGIが設置できるのだが、動作速度が控えめに言って芳しくない。WebSTAR 2.1JからApache 1.3.24へと機能増強を果たした某所のサーバーに、少しずつ移転させる計画でいる。

手始めにnamazu.cgiを移行した。ここで注意しておかないとハマるのが.namazurcの書きかたで、Perl版Namazuとはちょっと異なる。まずTarget欄を正しく記していないといけない。それから、Replaceにおいては正規表現が使用されるのも気をつけておく必要がある。私は手元のWindows 32環境で索引ファイルを作成しているから「/d|/home/……」のようになるのだが、ここで「|」がメタ文字にあたるので「\|」としておかなくてはならない。

2002/4/22
掲示板探し

とある学生団体で使う掲示板を検討している。これまで見てきた中で最も優秀だと思った掲示板は「ネオシティ」で、「最強のツリー掲示板」という売り文句は誇張ではない。ツリー表示の使い勝手もさることながら、その応答のよさが前代未聞だった。なんでも、「WEBサーバ(Apache)組み込み部分(C言語)と 外部の細かな処理をする部分(C言語,Perl言語)にわかれて」いるそうだ。

もともと掲示板には興味がなかったので、今ごろになって探している。Web Forum(Kent WEB)、Paddie's BBS、C-Board(Skully Soft)が有名どころだろうか。その他、「CでCGI」とか「DA実験室」とか「Webmonkey」とか。

2002/4/21
Virtue

とある学術団体のニューズレター作成を担当される方から質問を受ける。前任者はすべてMacで処理していたが、今回からはWindowsでファイルを作成するのだという。ただし、書体や構成はなるべく以前のものを踏襲したいそうで、まずは実物を見せていただく。なんと、タイトルに使用されている書体からしてChicago(Mac OS 7.xまでのシステムフォント)になっている。このひな型を作成した方はかなりのMac好きだという話を聞いた。

そこで、まずはChicagoの代わりとなる書体を探さなくてはならない。MacのChicagoを変換するという手もあろうが、私の環境では正しく変換できなかった。そうして探しまわって見つけたのが「Virtue」という書体だ。Virtueはビットマップがよくできていて、システムフォントとして利用するのに適している。また、Webのメニューにも使えそうだ。Windowsでも、Virtue+MS UIゴシック(Bold)との組み合わせがシステムフォントに使えればおもしろかろう。

その方からは、以前も相談を受けたことがある。曰く、退職される某先生のための文集を出すのだが、写真製版する上でどのようなソフトで出力すればいいかと。答えて曰く、ソフトといっても使う側の技術がないといけないから、とりあえずWordで十分ではないか。ただし、写真製版なら書体に気をつかったほうがよい。MS明朝とはまったくちがう印象を与える――と、いくつかの和文TrueType書体を紹介した。文集編集の責任者である教官はイワタ明朝体オールドが気に入ったようで、本文はそれで印刷されたそうだ。

2002/4/20
数字倒れ

人間城の主な日々」を読んで驚いたのは、DVD再生機が\11,800で買えるという事実だった。かつてPlayStation 2が\39,800で販売されたとき、DVD再生機能が話題になっていたことから、DVD再生機も2〜3万円はするのだろうと信じ込んでいた。

わが家の三洋製CDラジカセ「PH-PR960」はCD再生部が不調で、曲の先頭1分ほどが音飛びする。落語を聞くぶんには先頭1分は囃子だから問題ないのだが、べつに落語ばかり聞くわけではない。DVD再生機はCDも再生できるそうだから、CD再生機として使えそうだ。コジマ小平店に足を運び、DVMP3を買ってきた。

DVMP3の表示部

いまだCDしか再生していないので、DVD関係の機能については言及できない。表示部を見ておもしろいと思ったのは、数字が直立していることだ。私がもっている数字表示部は、電卓にしろCDラジカセにしろラジオにしろ、少し倒れたかたちになっている。しかし考えてみれば、一般的な表示部で数字が傾いていることこそ不思議ではないか。

2002/4/19
地図の見かた

渋谷でネパール料理をご馳走にあずかる話になった。現地集合で、その店のWebサイトから地図が得られる。それを印刷して携行していた。

「南口を出て徒歩5分」とあったのだが、電車を降りてホームに出たときに「南改札」という階段を選んだのが失敗だったようだ。この改札を通り過ぎると、東口・西口に出てしまう。南口が見つからない。とりあえず、地図を見ながら東急側(東口)に出た。

しかしながら、その地図の出来がいまひとつなのか私の解読能力がないのか、駅を出た時点で自分がどこにいるかわからない。道すじをつかむために地図を回転させて景色と合うような部分を探すのだが、うまくいかない。このようなとき、携帯電話をもっていないと不便だ。

途方に暮れていたとき、駅前の詳細地図板が目にとまった。この地図板と携行した地図とを比較すれば、場所がわかりそうだ。ところが期待もむなしく、詳細地図は詳細すぎてよくわからない。再び、紙の地図をくるくる回転させて地図板と一致する方角を探すことになる。

しばらくして、印刷してきた地図には住所も書き添えていたことを思い出した。「渋谷区桜ヶ丘16」。住所を手がかりに案内板を見て、ようやく方向がわかった。ガードをくぐって左に曲がればよい。結果、30分かかってようやく目的の店に到着することができた。教訓:地図といっしょに住所にも注目すること。

2002/4/18
石原都知事インタビュー

2002年4月14日付『朝日新聞』の第8面に、初等・中等教育に関する石原都知事へのインタビューが載っている。

高校生なら、自由にカリキュラムを選ばせればいい。子どももそのほうが楽しい。

伸び盛りの子どもには、知的にも肉体的にも耐性、つまりこらえ性を身につけさせることが大切だ。それは大人の義務だ。

上と下との意見が同一人物から同時に出ているのだから、解釈が難しい。ちなみに私は上には反対である。

2002/4/17
四谷駅にて

ATA133カードを買うために御茶ノ水まで出かけなくてはならなかった。電車の中で意識が朦朧としていて、中野あたりで眠りに落ちたようだ。ふと目を覚ますと、駅だ。慌てて下りたのだが、階段を上がると勝手がちがう。そこは御茶ノ水ではなく四谷だった。再び階段を下りる。

中央線四谷駅時刻表

次の電車を確認するために時刻表を見る。上は、それを擬似的に表現したもの。英語部分はサンセリフ体であるのに、なぜか「(Rapid)」の左括弧だけがTimes Romanのそれになっている。四谷駅3-4番線にて。

2002/4/16
失って知る品揃えのよさ

西友が店舗建て替えのために閉店となってから、ふだん西友で気に入って買っていたものを探すのに苦労している。鍋野菜セットは前にも触れた。きょう気がついたのは、10リットルのゴミ袋だ。これが見つからない。オリンピックにもトポスにもなかった。

A4コピー用紙も、西友は通常のPPC用紙のほかに「レジーナPPC100」(中越パルプ)という再生紙を扱っていた。古紙含有率100%、白色度70%の商品で、これまで4年間使ってきて紙詰まりや重ね送りが2度しか発生したことがなく、気に入っていた。この代替品も見つかっていない。他のスーパーに置いてあるのは、目のさめるほど白い紙ばかりである。生協にある富士ゼロックスの再生紙はいい線いっているのだが、ちょっと厚い。

西友国立店は、学生・単身者の要求をよく理解していたのだなあと改めて感心した。早く新装開店されるとよいのだが。

2002/4/15
ファイルの名前

Linuxの各種設定を行なうGUIツールがあって、私はよく世話になる。しかし、これらのツールは便利ではあるが親切ではない。たとえばネットワークの設定を行なうGUIソフトウェアがあったとして、設定時にどのファイルを書き換えたのかわからない。「設定」ボタンを押したとき、次のように表示されれば印象は異なろう。

以下のファイルを書き換えました。
/etc/sysconfig/network
/etc/resolve
/etc/rc.d/init.d/network
/etc/hosts
/etc/sysconf
/etc/sysconfing/network-scripts/ifcfg-eth0

Mac OSを使っていた結果として身についた癖なのか、そのファイルが何をしているのか漠然とでも理解できないと不安な気持ちになる。共有ライブラリがほとんどない時代には、機能拡張やコントロールパネルの名前を見るだけで、そのファイルの機能に関して予想がついた。障害への対処も簡単だ。日本語が文字化けしている――WorldScript IIかフォント機能拡張(もしくはその初期設定ファイル)が破損している、と的確な判断が行なえた。Windows 9xにはDLLがたくさんあって、それが何をしているのかわからない。

Mac OSのシステム周辺のファイル名が日本語だったことも大きい。「Time & Date」と「日付 & 時刻」では、初心者や子供が操作する上で使い勝手は変わってくる。そういえば昔、「スペシャル」メニューが「特別」に変わったことが悪し様に語られたが、私はその説には同意できなかった。ともあれ、ファイル名の日本語化がここまで行なわれた海外製OSはほかにはないだろう。

Mac OS Xもアプリケーション名は英語のままだ。システム設定のファイルも、アプリケーションのため英語名になっている。OS Xのアプリケーションが特殊なディレクトリの場合があるためだろうが、Dynabookからは遠ざかることになる。8歳の子供が英語名を理解するのは容易ではない。

どのような解決策が提示されるのかは知らない。ひょっとするとWindowsをまねて、Finderから見えるフォルダー名と実際のディレクトリ名とを分離するかもしれない。パッケージの中にjapanese.nameファイルがあるときには、日本語の言語設定を行なっている利用者のFinderではその中の文字列を表示する、という具合に。あまり美しい実装ではないかもしれないが、OS Xの「隠す」方向性とは合致している。

2002/4/14
qmail

単機能を身上としていた某所のサーバーが機能増強の突き上げにあっている。先日は、RAMとハードディスクを増設した。RAMは104MB、HDDは20GBとなっている。今回は、ここにメールサーバーをインストールすることとなった。

sendmailは使いかたがわからないのでqmailにする。日本語版ページの複雑な構造に頭を抱えつつ、「IT Boost - qmailのインストール & 設定」に従って作業を進める。「IT Boost」では既存ユーザーに配信ディレクトリを作成するとき、chownは~/Maildirだけでよいように書かれているが、私の環境では~/Maildir/new|cur|tmpの3つのディレクトリを予め作成しておく必要があった。

2002/4/13
盗難車の旅

少し前にラジオ(おそらくNHKのラジオ夕刊と思われる)で聞いた話。日本の盗難車は海外へ運ばれることが多い。では、日本の盗難車が最も多く見つかっているのは、どこの国だろうか。私はロシアかと思っていたのだが、答はイギリスだった。同じ右ハンドルだから、都合がよいとのこと。(もちろんロシアも多い。)

ちなみに、日本では自動車の盗難が年間6万件なのに対し、イギリスでは30万件を数える。これでも減少傾向だという。

2002/4/12
詩人の文

石垣りん『焔に手をかざして』(ちくま文庫、1992年、原版1980年)を読む。ところどころ、心打たれる表現に出会う。最近、さぼって書き抜きばかりしているなあ。

生きていれば……そういう年の数え方をされる仲間が多すぎる、私たちの青春でありました(p.79)。

以下は豆知識。

ティッシュ・ペーパーがはじめて国産になったのは1964年2月のことで、それより前、アメリカから中身の紙を輸入し、外箱だけを日本で製造して売り出したのは1961年10月だったという。その時の売り出し価格が1箱160円、2枚重ね200組の内容は輸入時も、国産開始時も変っていない……(p.191)。

2002/4/11
自転車の舵とり

珍しく自転車に乗っていたある日、スーパーから帰る途中で踏み切りの遮断機が下りているのを眼前にした私は、自転車のブレーキをかけて速度をゆるめた。もし速度を落とさなければ、遮断機が下りたままの状態で踏み切りに到着し、地に足を着かねばならない。しかしブレーキをかけてゆっくり進んでいれば、到着前に遮断機が上がるかもしれず、そうすると足を着かなくてよい。

自転車の足を着かずに家まで戻りたい――上のような心境が誰にでもあるのかどうかは知らないが、子供のころに横断歩道の白だけを踏むようにしようと勝手に決めて渡ったときと似たような感覚が思い浮かんだ。

ところで、完全に止まっていれば自転車は制御が難しく倒れてしまうのに、少しでも動いていれば転ばないように維持できるのはなぜだろう。物理で理由付けができるはずだが。


2002/4/10
経済数学I備忘録

ニューメレール(価値尺度財)の正確な意味。使用したのはワルラス。一般均衡において定まる相対価格のベクトル(p_1, p_2, \dots, p_n)のうち、基準(単位)とする財のこと。(その財の価格を1として他の財の価格を表わす。)理論上の話なので、好きに仮定してよい。

「価格」は一種の関数だが、完全競争市場を前提としている。まとめ買いで単位あたりの値段が安くなるようなことは想定外である。たかだか有限個の場合には、単なるベクトルとみなすことができる。

価格ベクトルに幾何学的な解釈を与える。x \cdot p = |x||p| \cos \thetaを考えよう。このとき、xとpのなす角が小さいほど内積の値(価格×数量)は大きくなる。数量ベクトルを固定したとき、価格ベクトルと同じ方向に配分すれば市場で最も高い評価となる。

2002/4/9
歌をめぐるあれこれ

カラオケに行くときは、努めて竹内まりやを歌うようにしている。といっても選曲はかなり古く、「告白」とか「家に帰ろう」とか「純愛ラプソディ」とか。「シングル・アゲイン」は歌えなかった。

残念なのは、「みんなのうた」の曲があまり収録されていないことだ。たとえば「コンピューターおばあちゃん」の歌唱を切望しているのだが、この曲を搭載したカラオケに出会ったことがない。「しっぽのきもち」「恋するニワトリ」が谷山浩子の中にあって喜んで歌った。

そういえば、高校のときに音楽の時間で歌った賛美歌らしき歌詞はまだ頭に残っている。Worthy is the lamb that was slain and has to redeem us to God by his blood to receive power and riches and wisdom and strength and order and glory and blessing. しかし、冒頭の意味がいまだにわからない。

2002/4/8
モノかヒトか

学内のサーバー事情は、おおかたUNIX系かWindowsかである。このどちらが選択されるかは、計算機を管理する専門の人が雇われているかどうかによるようだ。同じ予算があったとして、それを人に割り当てるか物に割り当てるかの違いである。物にはわりと予算がつくのに人には予算がつかない――というのが私が見た感触なのだが、これは国立大学にかぎったことではないのかもしれぬ。

2002/4/7
書き抜き

なだいなだ『親子って何だろう』(ちくま文庫、1993年、原版1973年)を読んで付箋を貼った部分。

しつけがきびしいということを自慢にしている学校がある。……そこに在学している生徒や卒業生を見ると、お行儀はいい。/しかし、きびしさを身につけた人は見つからない。実に甘い。/きちんとはしているが、きびしくはない。きびしくしつけているが、きびしさは教えていないのだ。きめられたり命じられたりしなければ、なに一つできない(p.102)。

私が、久里浜病院時代にアルコール依存の患者を調べたとき、日本では、長男と末っ子にアルコール依存が圧倒的に多いことにおどろかされた。末っ子が多いことは他の国とも共通であったが、長男が多いというのは日本に特別のことである(p.107)。

人間には、おのおの、自分のいうべきせりふがある。子をすてた親のせりふは、社会が悪い、というものであってはならない。そして、ぼくたちのせりふは、親がいけない、というものであってはならないのさ(p.124)。

2002/4/6
河合隼雄を読む

駅前の古本屋で河合隼雄の本が何冊も出ている。誰かが売りに出したのだろうか。とりあえず、河合隼雄『母性社会日本の病理』(中央公論社、1976年)を買う。母性原理は包含し、父性原理は切断する。「母性原理はその肯定的な面においては、生み育てるものであり、否定的には、呑みこみ、しがみつきして、死に至らしめる面をもっている」。日本は母性原理が強くはたらいているという現状分析と、もう少し父性を入れたらいいけれど西欧流にはいかないだろうという見通しが語られている。

河合隼雄というと私には狸おやじが思い起こされて、どうもいけない。むかしむかし、団交のあいてが河合隼雄だったときには、京大の学生側はだいぶ苦戦したそうだ。本文の内容も、個人的な夢の診断から一般論が導き出されるのが、私には理解できない。別世界を見るようだ。

かなり話はそれるが、この本を読んだあとで分数の分母・分子というのは味わい深い語であると気づいた。英語ではdenominator(分母)、numerator(分子)と、母子とは関係がなく説明的なものだ。(逆に、英語のmatrixは母型だが、行列という訳語はまったく説明的である。)1/nで、nがどんどん大きくなって子供が飲み込まれてしまうのを想像する。

2002/4/5
第n次インターナショナル

反グローバリズムがグローバルに展開されるのは、示唆に富む状況である。

2002/4/4
地図の方向

2002年2月5日の日記では、東と言うべきところを誤って右と言ってしまう背景には、頭の中で地図を思い浮かべているのだろうと述べた。では、なぜ世界地図は北が上になっているのだろうか。安野光雅『算私語録』(朝日文庫、1985年、p.201)では、そのような疑問が紹介されていた。

「地図学の権威」によれば、プトレマイオスの地図において北が上になっていたという故事にさかのぼるという。もっとも、勝海舟の大日本国沿海略図や伊能忠敬の地図は、必ずしも北が上になっていないらしい。

私はよく案内板の地図を頼りにする。このとき、北が上に固定されている地図は把握しにくい。頭の中で地図を回転しなくてはならないからだ。いちばん理解しやすい地図は、現在位置から案内板への方向が上になっているものである。

2002/4/3
CDファイルの品評

もっているCDのほとんどを、ケース型のCDファイルに収納している。ポリプロピレンでできた安物のルーズリーフファイルがクリアケースに収まったような見た目のものだ。プラスチックのCDケースは場所をとるので、CDを買ったとたんに捨てている。(辞典の箱などもすぐに捨ててしまう。)

ケース型CDファイルは各社から出ている。どれも同じような印象を受けるかもしれないが、製品によって仕様が異なる。たとえば、24枚収納を謳っている製品でも、片面に24枚入るものもあれば、両面で24枚のものもある。後者の場合、歌詞カードを別に入れると12枚しか入らない勘定になる。また、CDを出し入れする部分の切り込みにも注目するとよい。この形状が悪いと、CDが取り出しにくい。

お薦めは、三井物産が販売する「CDホルダー」である。この製品が優れているのは、(1)片面24枚収納で、もう片方に歌詞カードやCDキーのカードなどが収納できる点、(2)CDの出し入れが縦方向ではなく横方向で、他社製品にくらべて容易に取り出せる点である。特に(2)の使い勝手は、パソコン周辺器具メーカーが出した後発の製品よりも格段に優れる。

例のごとく、このCDホルダーも私が自力で見つけだしたのではなく、何年か前に当時慶応SFCにいた松川さんに教えてもらった。以前は新宿ヨドバシカメラの2階に800円で出ていたのだが、昨年末に探したときには発見できず、残念な思いをした。先月、ゲームボーイ用のドラクエI・IIを探すために秋葉原の中古ソフト屋を回っている最中に、数ある店のひとつ(名前を忘れてしまったが、中央通りにある)で偶然見つけることができ、2冊追加購入できた。

それほど高価なものではないので、いちど試してみてほしい。

2002/4/2
はるき悦巳と木村泉

このごろ、はるき悦巳『じゃりン子チエ』を読むことが多い。古い漫画本をペーパーバックにリプリントして廉価(300円)に売る商売がはやっているみたいで、それが古本屋では100円で手に入る。『じゃりン子チエ』は小学生のころテレビアニメで見ていて、テツの声(西川のりお)がぴったりだったのが印象に残っている。漫画を読んでいても、アニメの声が重なって聞こえてくるほどだ。

西萩闊歩」「関西じゃりン子チエ研究会」を読んで衝撃的だったのは、はるき悦巳が男性だったことである。私は長らく、こんなのが描けるなんて凄いオバハンだなあと思っていたのだが、木村泉先生(こちらも男性)に匹敵するほどの大誤解だった。ちなみにはるき悦巳氏はつげ義春氏のファンだそうで、たしかに背景など人物以外の描写で似ているところがある。

念のために書いておくが、私は大阪出身だけれども南大阪に関しては無知である。活動区域の南限は日本橋だった。

2002/4/1
ファイル管理を通して見る生きかた

ファイルの保管場所に無頓着な人もいれば、それが1カ所に集中していないと落ち着かない人もいる。私は後者である。控えは別にとっているが、基本的にはファイルはすべてノートPCの中に収納している。自宅と仕事場にパソコンを置いて、それぞれを使い分ける――といった器用な真似はできそうにない。だから、いろいろな場所に自分のノートPCを持ち歩いて作業することになる。

大げさに言えば、これは人の生きかたにも関わってこよう。仕事は仕事、生活は生活として頭のスイッチを切り換えている人もあれば、仕事と生活とが渾然一体となっている人もある。私は後者の人間で、尊敬する人物として挙げている桂枝雀(落語)にしろ桑田真澄(野球)にしろ、生活がすべて職業に直結しているタイプだ。