2002/2/28
クリックで新しいブラウザー窓を開く

画面内のURL文字列をクリックするとInternet Explorerが自動的に起動してそのURLを開く――これは最近のメーラーやエディターなら搭載していて不思議ではない機能だ。このとき私が不便に思っていたのは、そうやってURLをクリックしたときにいま開いている窓が使われてしまう点だ。つまり、それまで見ていた窓に上書きされるかたちで表示される。それなら新しい窓を開いてほしいと思わないだろうか。……べつにあなたを巻き添えにするつもりはないが。

実は、IE 5.01ではこの設定が可能であった。〈ツール〉-〈インターネットオプション...〉-〈詳細設定〉タブで、「ショートカットを起動するためにWindowsを再使用する」のチェックを外せばよい。

インターネットオプション画面

この機能は、「ショートカットを起動するためにWindowsを再使用する」という日本語の意味がわからないので調べているうちに知った。検索してみると、Becky! ユーザーの部屋FAQに該当記事があるから、わりと有名なのかもしれない。

2002/2/27
「車輪の再発明」と「永久機関の制作」

「車輪の再発明」とは、すでに発明されているとは知らずにモノを作ってしまうこと。言うなれば、先行調査はちゃんとしなさいよ、という教訓である。ただし注意しておきたいのは、再発明が戒められるべきはモノ(成果)であって過程ではない。たとえば数学の諸概念などは、みずから納得する過程を経ないと自在には使いこなせない。教育的には、自分で発見した事柄のほうがずっと印象に残る。

車輪の再発明は発明できたぶんだけまだマシだという意見もありうる。もっと悲惨なのは、失敗するということが知られているのに挑戦して失敗するケースだろう。永久機関の制作を試みたり、角の三等分が可能であることを証明しようとしたりするのは、時間の浪費だろう。もっとも、錬金術ブームのおかげで実験器具の性能が向上した歴史を思えば、間接的には何らかの御利益があるのかもしれない。

学術上の成果は、内容の重要性はともかくとして成功例に入る。だから、先行研究のサーベイは重要である。だが、それと同時に失敗例も公開されていたほうが親切という気もする。こんなアイデアがあってエエと思っとったんですけど、実験してみたら全然あきまへんわ――というようなことは論文にはならないわけで、これだと「永久機関の制作」は防げないのではないか。アメリカには「大学生がよくやらかす数学の誤り」といったホームページもあるのだが、そんなのが日本にもあるとよい。

先生からしか学べへんやつはカシコちゃうのん。アホからでも何かしら学ぶのがホンマモンのカシコ――とはどうせ森毅の弁だろうが、たしかにそうだと感じる。

2002/2/26
太ゴの使い道

奥村先生が作成されたクラスファイル群では、見出し書体としてサンセリフ(sffamily)が使われる。ところが、Computer Modern Sans-Serif(CMSS)は太さこそ中ゴシックBBBと合うものの、そのデザインはFrutigerを貧弱にしたようで、私は好きになれない。回避策として\renewcommand{\sfdefault}{phv}とでもしておけば見慣れたHelveticaで出力されるけれど、これだと中ゴが細く見える。

というわけで、せっかく購入したもののMSゴシックの代替書体として使用できず使い道に困っていた太ゴB101は、dvipsでのgbm指定に使うこととなった。太ゴB101は角立て過剰に見えて好きではなかったのだが、最近はむしろこの古くくささが好きになってきた。

2002/2/25
三方一両損

大学院入試のときのこと。試験場となった教室に掛けられていた壁時計に、「音で気が散る」と文句を言って撤去を要求した人がいた。試験官が椅子にのぼって時計をはずそうとすると、こんどは「時計を持ってきていないからはずすと困る」という学生が現われた。はたしてどうなるかと興味をもって眺めていたところ、その試験官は考慮ののち椅子の上に立って複写紙で時計を覆ったのだった。そして、「私の時計で進めます」と宣言した。

音は消えないし時刻も確認できない。この教官は何を考えているんだ――私は試験を受けながら呆れていた。が、これは短慮だった。今にして思えば、この試験官がとった行動は「どちらの言いぶんも聞かない」という点で実に公平である。

020301追記 その場にいた方からメールをいただいて、最初の要求は音がうるさいからではなくて「時計が正確でないから(10分進んでいた)」だそうだ。なるほど。試験官の行動に対して「不正確な時計を隠し,正確な時刻を口頭で伝達することを選択した試験官の行動は,相応に公平かつ効率的ではないでしょうか?」と述べられている。なるほど。ただ、同じ紙を貼るなら時刻を隠すのではなく、「この時計は10分進んでいます」と書くのがパレート最適だと思うが。ともあれ、篠崎さんありがとうございます。

2002/2/24
「王用ソフト」の謎

ATOK 13で「おうようそふと」と入力して変換すると、「王用ソフト」となって驚く。応用技術・応用数学……正しく変換される。が、これらは連語が登録されている可能性もある。応用ハード・応用ソフトウェア。これらも「王用」にはならない。おもしろいことに、「おうようそふとをきどう」と入力すると、「応用ソフトを起動」と正しく変換される。

ユーザー辞書を調べた結果、自動登録で「用ソフト」が単語登録されているために起きたようだとわかった。「おうようそふと」が「おう/ようそふと」と切れていたわけだ。このことを確かめるために、「おう」の第1候補を「王」以外の漢字にしてみた。たとえば「凹」で確定してから「おうようそふと」と打てば、「凹用ソフト」と変換されるのではあるまいか。

ところが実際には「凹用ソフト」とはならず、「応用ソフト」と変換されるのである。おそらく、「王」が人であることが品詞情報の中に入っていて、その品詞のときには特別な動作をするようになっているのだろう。ひとつの変換にも複雑な処理がなされているようだ。

2002/2/23
きょうの誤植から

Tさんに借りたクーロン黒沢氏の本で、「プラス」が「ブラス」になっているのを発見する。編集がDTPであるのは間違いない。よって、黒沢氏による電子入校であろう。ローマ字入力をしていて「プ」と「ブ」をまちがえることは考えにくいから、黒沢氏はカナ入力なのだろうか。

とある本で、コルモゴロフの「モ」の字が漢字になっていた。(宅のウ冠がないもの。JIS第二水準までにはないと思う。)これなど、誤植するほうが難しいのではあるまいか――などと思っていたら、どうもカタカナのようだ。モだけ大きく見える上に撥ねているから、漢字と思ってしまった。……私が疲れているのかもしれない。

2002/2/22
いつか見た新聞広告

昨年度に引きつづき、今冬の暖房機器もガスエアコンと加湿器との組み合わせだった。火力は強いし、加湿器のおかげで喉の調子も悪くない。しかし問題は光熱費で、ガス代は1万円近く、電気代も5000円を超える。もっとも、冬のガス代高騰はエアコンのせいなのか、それとも料理や風呂のせいなのか詳細はわからない。

それで思い出したのが、遠赤外線ヒーターだった。たしか『朝日新聞』の日曜版で見た記憶があったのだが、いつかはわからない。表面温度の違いを売りにしていたと記憶していたので、「遠赤外線」「表面温度」「ヒーター」で検索し、「サンルーム550N」を見つけた。能書きを読むに、オイルヒーターにくらべて消費電力が低く、よさそうである。来年度の検討課題としておきたい。

さらに、「サンルーム550N」で検索して引っかかったサイトの中に「朝日新聞広告局」があった。出てきたページは、「面別接触率速報」というもの。面別接触率は、その面を読んだ気がする人の割合を表わしているそうだ。サンルームの広告は、男性57.0%、女性71.3%の接触率だった。

2002/2/21
予備のパソコン

ノートパソコン(PowerBook 5300c)をもらう。うちのG4にはフロッピードライブがないから、Macフォーマットのフロッピーを受けとったときには、このパソコンを用いることになるだろう。また、OCFフォントのダウンロードには、この機械が必須である。PowerPC 603e 100MHzだし画面はVGAだから、もちろん主力にはならない。予備機として使う予定だ。

予備機といえば、下でさんざんLaVieをほめておきながら、再び日立FLORA 220FX(NP7)を買った。CPUがMobile Pentium III 600MHzになっている以外、チップセットなどのハードウェア構成は現在使用中の主力機(NP3)と変わらない。処分特価で出ていたところを購入した。中古で買った主力機の、さらに半額である。原価すれすれであろう。

ハードウェア構成にまったくちがいがないから、おそらく新しいパソコンだという喜びもない。最新型(NP2)とちがってVRAMも2.5MBしかないから、「マルチメディア」にはまったく使えない。FireWireもない。ではなぜこの機械を買ったのかと言えば、それは予備のためである。ここ半年ほど、まったく同じ構成のパソコンを探していた。

ノートPCの耐久性に過大な期待を抱くと、痛い目に遭う。かつて使用していたMebius PC-PJ1-M3は、4度修理に出した。壊れるぶんには腹が立たないのだが、問題は修理期間の長さにある。はやく返ってくる保証はどこにもないし、修理に出しているあいだ別のパソコンに環境を移し替えるのは手間だ。Mac OSとちがって、システムフォルダーを移すだけ、というわけにはいかない。

そこで、同じ機械がもう1台あると助かる。壊れた計算機からハードディスクだけ抜き取って、予備の計算機に載せればよいからだ。加えて書けば、パソコンの場合、キー配列やタッチ・ポートの位置などが新製品になって改悪されることもままある。机上型ならともかく、ノート型だとキーボードの取り替えなどできないのだから、気に入ったものがあれば予備として型落ちになった同機種を買っておくのは手だと思う。


2002/2/20
新しいLaVieに感心する

Yさんが日本電気のB5ファイル型ノートPC「LaVie M LM500/1」を持ち込んでいらっしゃるので、触らせてもらう。私が確認するのは、(1)キー配列とキータッチ、(2)液晶の見やすさ、(3)各種ポートとその位置。正直に言って私は日本電気が好きではない(正確に書くと嫌い)のだが、今回のLaVieはよいと思った。

(1)について、キータッチはよい感触だ。キー配列は、半角/全角キーを最下段(Altの右)にもってきたため無変換キーの大きさが小さくなったものの、無変換を左親指、スペースを右親指とすれば親指シフト化も困難ではない。小さめのキーピッチも私の好みである。(2)も、十分に明るくきれい。

光っていたのは(3)だ。CD-RW/DVDコンボドライブは左側面で、脱着の構造がうまくできている。FireWireもあるのもいい。ただし、LANポートのアクセスに背面の蓋を開ける必要があるのが面倒だ。裏を見ると、RAMとともにハードディスクへのアクセスもネジ一本で行なえるようになっている。この点は最高にすばらしい。ハードディスクの脱着が容易になっている点は、レビュー記事にはぜひ書いていただきたいところだ。

どうでもよいけど、LaVieはラヴィと後ろが強調されてしかるべきだと思うが、日本電気のコマーシャルではそう言っていない。

2002/2/19
帰郷の準備

今年は祖母の25回忌だ。それに合わせて帰省しようという運びとなり、今後の貧窮が予想される今年は青春18きっぷを利用することにした。「SWAのWebページ」には、「東京・大阪間の移動を普通列車で」効率よく乗り継ぐための情報があり、参考にする。下りは東京5:20発がベストのようだ。国立からでは始発に乗っても東京駅着が5:30をすぎるので、前日は湯島の妹宅に泊めてもらうことになろう。

2002/2/18
Adobe製MacソフトでWindows TrueTypeフォントを使う

システムフォルダ:アプリケーションサポート:Adobe:Fontsに.ttfファイルを放り込むことで、WindowsのTrueType書体がMacのAdobe製ソフトウェア(ClearTypeラスタライズエンジンを用いたもの)から使用できる――このことを、Mac Fonts大図鑑で知る。ただし、MS Gothic.ttcのような.ttcファイルは利用できないようなので、breakttc.exeで.ttfに分割する。(breakttcは、TTSDKの中にある。)

2002/2/17
太ゴの挫折

太ゴB101を購入する。目的は、MSゴシックの代替書体として用いることだ。2001年の6月12日7月24日日記で書いたとおり、見出ゴMB101は代替PS書体として機能しない。中ゴシックBBBはMSゴシックの代替には細いので新ゴMで置き換えているのだが、仮想ボディを広く使っていた書風は好みでないことに遅まきながら気がついて悩んでいた。そこで、太ゴB101の登場となった。

しかしながら、太ゴB101もまた私の環境では代替書体にはならなかった。指定はできるのだが実際には機能しない。環境はWindows 2000SP1である。Distiller Driverでも起こるので、PSドライバーに共通して起こるようだ。2001年11月7日発表のAdobe Universal PostScript Windows Driver Installer 1.0.5でも効果はない。現在のところ、理由はわからない。来月頭にはPC環境の再構築をはかる予定である。

ところで、太ゴB101のおもしろいところは、Word 97で選択すると太ゴっぽい画面書体になる点だ。これは、目立ってよい。中ゴシックBBBでは、このようにはならない。どこかでウェイトを認識しているのだろうが、この仕掛けもよくわからない。

2002/2/16
与作は木を切る

迂闊にも、同志Rさん作成のJavaゲームにハマっている。厳しい当たり判定に持ち前の不器用さが手伝って、なかなか得点を上げられない。現在、1360点が個人最高得点。

2002/2/15
仕事と低生産性

頼まれごとで、Webページを作成している。Word 2000で作成したhtmlファイルをNetscape Communicatorで読むと意図したとおりに見えないとのことで、Wordファイルとhtmlファイルをもとに、Netscape Communicatorでも見えるページを作成するのが仕事だ。

それでWord 2000によって生成されたhtmlファイルを見て、ソースのすさまじさに愕然とする。108KBのテキストファイルはstyle満載で、解読には苦痛が伴う。ファイル修正をあきらめて、ファイルを一から作ることに決める。もとのWordファイルも写真が28点入った複雑な構図をしているのでTABLE満載になるが、それでも1/5以下のファイルサイズに収まるだろう。ただし、すべて手作業なので生産性は低い。

このようなとき、はじめからWordではなくDreamWeaverを使うことを薦めていれば、私の役目はなかったかもしれない。導入コスト以上に生産性が上がることは十分に考えられる。しかし、そのときには私の仕事はなくなる。このように、非効率性のおかげで職にありついている人というのは、世間に少なくない気がする。

「この定理の証明を、K大学のA教授にお願いしたところ、A教授は5分間かかりましたが、機械に食わしますと2分ですみました。もっとも、機械を2分間動かすよりは、A教授を5分間飼っておく方が、はるかに安上がりであります」

森毅『数学的思考』(講談社学準文庫、1991年、原版1964年、p.100)

2002/2/14
Mac OS Xで親指シフト

Macでは、Happy Hacking Keyboard 2 Lite(USB接続、英語配列)を使用している。親指シフト利用者たる人間がこの鍵盤で我慢しているのは、Mac OS Xで親指シフト入力を実現する見込みに関して悲観的だったためだ。どうせ親指シフトができないなら、JISでなくてもかまわない。そう思って、タッチがよいわけでもなく小ささだけが取り柄のこの鍵盤を使ってきた。

ところが、「TESLA」が状況を一変させた。このソフトウェアは、Mac OS Xネイティブ環境で親指シフト入力を実現するカーネル機能拡張である。箱にしまっていたJISキーボードを取り出してきて、接続。同時打鍵判定時間60msのバージョンを選ぶと、きびきびした反応が得られる。ATOKなど市販の漢字変換ソフトを使えば、TESLAとmiの組み合わせでMac OS Xでも充実した日本語入力環境が得られるかもしれないという期待がもてる。(ちなみに、TESLAもまた「親指シフトのための掲示板」で知った。)

さらに期待が膨らむと、富士通高見澤コンポーネントのUSBコンパクト親指シフトキーボード「FKB8579-661」がMac OS X上で利用できるかもしれない、という妄想にまでつながる。現在のところ、PCとMacとで共用に使えるUSB日本語キーボードすら出ていないのだが、いつか夢がかなうかもしれない。

2002/2/13
飛び出し禁止

Webの広告は好きではないものの許容できないこともないのだが、(1)アニメーションを流されるのと(2)新しいウィンドウが開かれるのとは我慢ならない。(1)に関してはインターネット設定でGIF動画を読み込まないようにすればいいのだが、最近はFLASHを使うものが出てきた。困ったことだ。(2)については、Proxomitron-Jを薦めてくださる方がいて導入を検討しつつも、不精から手を出していなかった。

そこへきて、(2)対策として容易な方法を「親指シフトのための掲示板」にて田之上さんがご教示くださっているのを発見する。〈ツール〉-〈インターネットオプション...〉から〈セキュリティ〉タブを選択し、ポップアップウィンドウを表示させる困 ったサイトのURLを制限付きサイトの中に加えればよい。対応するのはInternet Explorer 5.X以上(Windows版)だそうで、Mac版IE 5.0SR1でも期待通りの動作が確認できた。

2002/2/12
ドラクエII

平山尚さんによるドラクエIIの評を読む。私はドラクエはIIIまでしか解いたことがなくて、IVはかなりやったものの、V以降は保存すらしたことがない人間だが、IIの中身はわりとよく覚えている。金の鍵を見つけるのにさんざん苦労したとか、ロンダルキアの洞窟で落とし穴にハマりまくったとか、復活の呪文を写しまちがえて泣きそうになったとか。ちなみに復活の呪文といえば、「『復活の呪文』資料室」や「ドラゴンクエストII パスワード解析」で解析されている。

いちばん思い出深いのは、表向きの最終的な敵であるハーゴンを倒すときのことだ。何の操作をまちがえたのかは記憶にないが、何が起きるかわからないパルプンテの呪文を唱えてしまった。すると、こちらは全員気絶、ハーゴンは逃げ出した――という結果になり、なぜか敵を倒したことになってしまった。そのおかげで真の敵(シドー)は無傷に近い状態で戦えてあっけなく倒せたのだが、嬉しさは半分だった。調べてみると、これはわりと有名な現象らしい。

2002/2/11
大学連合

少し前の『朝日新聞』で石弘光先生へのインタビュー記事が出ていた。大学統合は当然の流れだと言いながら、当の一橋大の統合については否定的に語るところがステキだ。

個人的には、ゆるやかな連合は作っておいたほうがいいと感じる。だから、四大学連合は一歩前進なのだと思う。ただ、現段階では学生の交流が少なすぎる。何コマかは他大学の講義を受講することを必修にしておけば、わりかし楽しめそうだ。意味を失って久しい第二外国語などは、せめて四大学共通で行なえば何らかの価値が出てくるかもしれぬ。くじ引きで第二外国語の所属大学を決めればよいのに。


2002/2/10
不思議の国のアリス

2月5日の話をある人にしていたら、長年疑問に思っていたことがあるとおっしゃる。尋ねてみると、『不思議の国のアリス』の「不思議の」の「の」は何なのだろうか、なぜ「な」ではいけないのか疑問に感じるという。それを聞いて、高校生のときに政治経済の時間で統治行為論を学習した折に、教師が「高度の政治性」の「の」を「な」に変えてはならないと力説していたのを思い出した。そのときは単なる術語だと思っていたので、深く考えなかった。

後日、再びその方とケーキ屋で話を交わしていると、年輩の方から「羽仁五郎の論文がそうだ」という指摘を受けた。戦前の論文では「革命的の」といった表現が珍しくなく、氏ははじめ誤植かと思ったそうだ。となると、「形容動詞+の」は古風な表現と考えてよいのだろうか。

現代で「形容動詞+の」が使われる事例を考えてみたが、あまり思いつかない。「あいにくの雨」とか「さすがの彼でも……」といった例くらいか。いずれも型にはまった表現である。

2002/2/9
TrueType→TrueType書体代替機能

Windows環境でPostScriptプリンターを使う大きな利点は、フォント代替機能にあると思っている。MS明朝で指定しておけば、プリンター出力時には自動的にリュウミンL-KLに代替される。同様に、MSゴシックは中ゴシックBBBに置換されて出力される。その他、ドライバーの設定しだいで任意のTrueType書体を任意のPostScript書体に置き換えることができる。

Wordなどで直接リュウミンL-KLを指定すればいいではないか、代替機能など必要ない――との意見があるかもしれない。たしかに、個人で完結して使うならそのとおりである。しかし、その文書を他人に渡すばあいには、リュウミン指定よりもMS明朝指定のほうが相手にとって都合がよい。また、FAX送信など非PSプリンターに出力するときにも、MS明朝から書体を変更する必要がなく、便利である。さらに、各所から入手したPDFファイルはMS明朝が指定されていることが多く、これも代替機能の出番になる。

もっとも、利点の源泉は書体代替機能であってPSプリンターではない。たとえばキヤノンやエプソンのページ記述言語(LIPS IVやESC/Pageなど)搭載機には、ドライバーに書体代替機能が備わっている。しかし、これらはプリンター搭載書体でしか置き換えることができない。そして、両社の標準書体の出来はMS明朝にくらべて格段に優れているとは言えない。以前、低価格PSプリンターにはヒラギノ書体ををROMで搭載してくれという要望を某社に送った。

理想を言えば、表題にあるように任意のTrueType書体をTrueType書体で代替する機能が非PSプリンターにあるとよい。この機能があれば、MS明朝をモリサワOpenType書体で代替することができよう。こんなプリンタードライバーが出ないだろうか。

2002/2/8
構造改革を実現する法

構造改革といっても、方向は2通りある。国民が望んでいる方向が、小泉首相の唱える方向と一致しているとはかぎらない。特に経済政策に関しては、逆じゃないかと思うことがある。ただ、既得権益を破壊するという点では両者は一致するだろう。そのような構造改革を実現するいちばんの方法は、自民党を政権から4〜5年遠ざけておくことだ。これで利権構造はだいぶ変わる。

このようなときこそ最大野党である民主党にがんばってほしいのだが、当の民主党の経済政策が私には見えてこない。悲しいことに、現時点の経済政策に関しては日本共産党の言いぶんのほうが分がある。「悲しい」というのは、共産党が正しい政策を主張すると、イデオロギー的反発から実現可能性がかえって低くなってしまうからだ。仮に民主党が、イギリス自由民主党に似た現時点での共産党の経済政策を唱えていれば、かなりの支持を得ただろう。

いっそのこと、民主党の経済特別顧問に外国人を採用してはどうかとさえ思うことがある。それも、スティグリッツといった超大物を持ってきてはどうだろう。

2002/2/7
名前と検索エンジン

Googleやinfoseekといった検索サイトで検索を試みるもののうまくいかず、やきもきした経験はないだろうか。ひとつは「1件も見つかりませんでした」というもので、この案内が返ってくると悲しい気持ちになる。いまひとつは「24,000,000件のサイトが見つかりました」というもので、こちらが返ってくると手のつけはじめに思い悩む。

利用者にそのような思いをさせないために、検索サイトですぐに見つかるような名前をつけることも考慮に入れておいたほうがよさそうだ。下の「らくらくプラグ」など、長い名前だからすぐに見つかる。

逆に、短いローマン文字列だと見つけるのは難しそうだ。Mac用テキストエディターの中に「ミミカキエディット」というものがあって、HTML/TeXなどのモードが用意されており便利だった。ある日それが「mi」と改名された。Macでvi並に標準で使われることを希望したよい名だなと感じた反面、検索エンジンからたどるのが難しくなるのではないかという危惧があった。

もっとも、この危惧は杞憂だったようだ。「mi」で検索すれば、少なくとも日本語ページの中ではトップに出てくる。

2002/2/6
買いもの

近所のスーパーで、旭電気化成株式会社の「らくらくプラグ」を買う。私はどうもアイデア商品に弱くて、つい購入してしまう癖がある。以下に写真を掲げよう。

らくらくプラグの写真

プラグの真ん中に穴が開いているのがわかるだろうか。赤い出っぱりをにぎると、この穴から棒が飛び出して、かんたんにプラグが抜ける仕組みになっている。これを炊飯器に取り付けると、わりと便利であると思う。

2002/2/5
東と左、西と右

オーストリアはドイツの右――などと、東と言うべきところを右と言ってしまうことがある。方角と方向とを混同してしまうのは、おそらく頭の中で世界地図を思い浮かべて口にしているからだろう。その世界地図は、もちろん北半球が上になっている。直交座標系を考えたとき、北は縦軸の正の方向にあたるわけだ。

だが、この考えかたが正しいとはかぎらない。北半球の人間は、北向きであるより日の当たる南を向いたほうが自然ではないだろうか。たとえば「背」という字には「北」が含まれている。敗北した兵は、背を見せて逃げる。山陽・山陰という言葉もあるとおり、縦軸の正の方向は、むしろ南のほうがよいのかもしれぬ。実際、京都はそうなっている。こちらは座標の原点に位置する天皇が南向きに町を見ることを想定している(天子は南面す)から南が正の方向で、北から二条通、三条通……とつづく。また、東側が左京、西側が右京になっている。

日本語の音韻の観点からすると、南向きに立って東を左と見立てたほうが、方角と方向との整合性は高い。higasiとhidari、nisiとmigiとでは、音素数と母音とが完全に一致する。ついでに北(kita)と下(sita)ともうまくできているのだが、南がうまくいかない。北と下とはあまり関係なさそうだが。

2002/2/4
ダッシュのメモ

内山孝憲さんが「ダッシュがつながらない」でお書きになっているとおり、ヒラギノ書体ではダッシュ「――」がつながらない。\kernを使わずにフォント側で対処する方法のメモ。(1)ダッシュの部分だけMS明朝やリュウミンを使う。(2)Virtual Fontでダッシュを横に伸ばす。(3)書体そのものに手を入れる。(3)はライセンスの面で困難だから、(2)が妥当だろうか。

2002/2/3
プリンターを買う

妹が、レポートを出力するためにプリンターがほしいと言い出した。レーザー系で小さなものがよいという。しかし、用紙を縦に収納するものはホコリが入るのでよろしくない。高いのは嫌だ。……なかなか贅沢な注文である。付け加えれば、妹が使っているPowerMac互換機はiMac以前の製品で、USBポートを備えていない。2本のPCIバスはビデオカードとLANカードで塞がれている。だから、買うとすれば(1)Ethernetポート搭載プリンターか、(2)パラレルプリンター+プリントサーバーか、(3)シリアル接続プリンターかである。

あっけなく(1)が消えた。高いからだ。次に(2)が消えた。プリントサーバーのうちMacでも使えるものは、たいていPostScriptプリンターであることを前提としている。プリンターがPSでなくても使用できるものとしてはロジテック「LAN-PSWM」があるが、わりと値が張る。これなら(1)と変わらない。結局、(3)の線で当たってみることにする。

大学入学当時に使っていたのはOKI MICROLINE 4wだった。小さいわりに出力はしっかりしていたが、ドラムが早くダメになり、数枚重ねて給紙されるなどの問題が出てきた。入出力装置はケチるべからずと悟り、エプソンのLP-1800を買った。LANポートを内蔵させ、RAMも最大限拡張した。ページ記述言語にESC/Pageを搭載しているので、dvioutから直接制御ができ高速印刷が味わえた。この印刷機は、現在Tさんのところで活躍している。そしていま使っているのは、故障しているところをもらってきたApple LaserWriter 16/600 PS-Jである。

レーザープリンターの中ではドライバーの性能からエプソンが好みなのだが、(3)の線でいくと大きさに難がある。すると次に考えられるのは沖データだ。MICROLINEの400/600番台を探していると、たまたまMICROLINE 640CLが競りに出ているのを見つけた。ほとんど未使用で、状態はよさそうである。妹に確認して入札し、開始価格で落札することができた。設定をし、動作確認をする。問題ない。ちなみに同機種でドラムを清掃するときには、オフラインにしてから+ボタンを押し、同時に−ボタンを2秒以上押すとよい。

しかし、目玉はMICROLINE 640CLではなくMICROLINE 810PSIIV-LTである。A4でモリサワ2書体(CID)でネットワークI/Fもついている。これが安い。驚くほど安い。開始価格は5000円である。私がPSプリンターを持っていなかったら、まちがいなく落札する。でも持っている。でもほしい。こんな機会を見逃したら、今後30日間にわたって後悔の日々がつづきそうだ。逡巡のあげく、福岡のYさんまで速攻でメールを送り、購入の許可をとって落札する。こちらは、もうすぐYさんの研究室に運ばれる予定だ。(追記。なんと、内蔵ハードディスクまでついていたという。)

今回、プリンターを選ぶために各社の製品情報をのぞいてまわって感じたのは、A4レーザーで心揺さぶるような製品がないことだ。エプソンはいつの間にかESC/Pageのプリンターを出さなくなっている。さらに、A4のPostScriptレーザーとなると、沖データもLTシリーズを出さなくなった。(USB接続で平成書体搭載の「660PS」があるが、これはネットワークで使えない。書体をヒラギノで代替してくれれば、個人向けには使う気になるのだが。)

2002/2/2
調和平均縁起

高校で数列を習うときに、相加平均・相乗平均・調和平均を習う。このうち前の2者はいいとして、最後の調和平均(harmonic mean)のどこが調和しているのか理解できなかった。ちなみに調和平均は、以下の式で与えられる。この式を見て「調和している」と感じる美的感覚は持ち合わせていない。

\frac{n}{1/a_1 + 1/a_2 + \cdots + 1/a_n}

矢野健太郎『数学むだばなし』(新潮社、1960年、p.121)を読んでいて、それがピタゴラス(Pythagoras)由来だという記述にぶつかった。調和とは、音楽でいう和音のことだそうだ。すなわち、弦楽器の弦の長さを2/3にすれば5度高い音が、1/2にすれば1オクターブ高い音が鳴ることをピタゴラスは発見した。これらを同時に鳴らせば、和音(ハーモニー)が得られる。さらに、1・2/3・1/2それぞれの逆数をとれば、1・3/2・2という等差数列になる。ここで、2/3は1と1/2との調和平均である。

2002/2/1
Excelの短縮キー

MacではExcel 98を、WindowsではExcel 97を使用している。両者はだいたいにおいて同じ操作性を与えてくれるのだが、一部の短縮キーが異なっている。この点はExcel 2001でWindowsと同じように統一されたらしいが、私はもっていないので確認できない。なお、ExcelやWordはもともとMacのソフトである。

Mac版Excel 98で便利な短縮キーは、「挿入-セル...」と「編集-削除...」だ。Macでは、command+I(insert)、command+K(kill?)でそれぞれ実行できる。ところが、WindowsでCtrl+IやCrtl+Kを押しても、期待した動作は行なえない。不便だと感じていた。

しかし、「Excel生産性向上委員会」のおかげで、両者の短縮キーを知ることができた。それぞれ、Ctrl+Shift++とCtrl+-とである。英語キーボードだと両者は隣り合っているので統一感があるのだが、日本語キーボードだとそうでもない。